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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
もしも
[フレンチトースト]はフランスのお洒落なカフェを連想させられ
[タコライス]では蛸などの新鮮な魚介類を想起させられる
とまで書いたところで
[タコライス]は蛸飯ではない…という声が聞こえて来そうです(笑)
[フレンチトースト]とは
ジョーセフ・フレンチさんによる料理という説もあり
いずれにせよフランスではお洒落な料理などとは認識されていない
こうした状況はヴァイオリンの分野でも全く同じで
[ヴァイオリンを美しい音で弾く]という宣伝ばかり掲げている教室や
[ヴァイオリンで音楽を表現する]という方針ばかり謳っている教室や
[チューナー]を使えば正確な音程で弾けると言っている教室もある
とまで書いたところで
以前の記事で書いたようにせっかく文明の利器が有るのだから…と電卓を使って答えを確認したところで結果の確認に過ぎず、計算のやり方は学べない…というよりも、計算のやり方を学び鍛える際に電卓を使うことは無意味で余計なことでしかないのと同じで、せっかく文明の利器が有るのだから…とチューナーを使って音程を確認したところで結果の確認に過ぎず、音程の取り方は学べない…というよりも、音程の取り方を学び鍛える際にチューナーを使うことは無意味で余計なことでしかない…という声が聞こえて来る筈です。
ところが
[タコライス]は蛸飯ではない…という声は聞こえて来ても
ヴァイオリンがタコライスほどには一般的ではないからだと思います。
さらには
これも以前の記事で掲げたように
という[シ]の音は
というように[ミ]の開放弦と重音で綺麗に調和する音程のほうが高いので
音程が固定されているピアノなどの鍵盤楽器を叩いてヴァイオリンの音程を取らせるなどということも、本来のヴァイオリンのレッスンでは決して行われない…というよりも、それではヴァイオリンの音程は取れないということについてもタコライスが蛸飯ではない程には知られていません。
そして
既述のような宣伝や方針ばかり掲げている教室の先生というのは
前の記事で書いたように
と
の何れの音程が高いか…ということについて
開放弦を基に音程を取る方法など弾き示せず、音程の取り方も知らずに兎に角ひいて弾いて弾きまくって徐々にそれっぽい音程に近づけているような人達でしかない場合が殆どで
それはまさに
[ビーフストロガノフ]のビーフはロシア語の「~流」ということや
[フレンチトースト]はフランスではお洒落な料理とは思われていない
ところがさらに
[さ][し][す][せ][そ]は
和食の基本の調味料と入れるべき順番のことですが
[さ]の使用は控えるべきという一点をもって
[さ][し][す][せ][そ]が誤りだとする人も居ますが
そのように伝統的な調味料の使い方に異を唱えている点で、それはまさに前の記事で書いたように先ず正しい音程の取り方を学びポジション移動を習ってからビブラートを習う…というように、身に付けるべき基礎を一つひとつ確実に会得させるのが本来の指導であり、そのためには、その生徒が先ず学ぶべき課題が一つひとつ着実に習得できるように課題曲を選定する必要があることに異を唱えているようなものです。
そして
そのような先生は、和食を学びたがっている料理の初心者に和食ならではの[さ][し][す][せ][そ]も教えずに[ビーフストロガノフ]や[フレンチトースト]を作らせるかの如くに、生徒が習いたがることはその場で何でも教えてしまうのです。
その結果
例えば、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを乱切りにして炒め、牛肉も軽く炒め、以前の記事では小麦粉を使わないカレーの話を書きましたが、そうではなく市販の固形のカレーのルウを入れて…と思ったところが、カレーのルウの買い置きを切らしていたので代わりにシチューのルウを買いに行く…などということをするくらいならカレーのルウを買えばいいだけの話ですが(笑)、ルウを買いに出掛けずに何とかしようと思えば、醤油と味醂を使ってカレーの代わりに肉じゃがを作ればいいだけのことです。にもかかわらず、既述のように和食を学びたがっている料理の初心者に和食ならではの[さ][し][す][せ][そ]も教えずに[ビーフストロガノフ]や[フレンチトースト]を作らせていたのでは、日本の普通の家庭であれば必ず思いつく既述のような代替案も想起できなくなってしまうのと同じで、闇鍋クッキングならぬ闇雲レッスンになってしまうだけです。そして、大量のエチュードをそれっぽく弾き通し、それなりに弾けるようなつもりになったところで、その演奏は不安定で、せっかく学んだ楽曲も数年どころか数か月でまた弾けなくなってしまうのです。
それに対して
生徒の学習状況に応じて提示する課題曲の順番と選曲においても、指導における長年の叡智というものが存在していることに関して熟知している先生のもとで学んでいる学習者であれば、ヴァイオリンならではの音程の取り方で弾き、その学習者において最も重要だと思われる課題を取捨選択したうえで一音いちおん確かめながら復習うことで演奏は確実になり、そのようにして学んだ楽曲はかけがえのないものとなるのです。
そして
そうした学習者は、以前の記事で書いたように所謂“お稽古名曲”の決定版といえるベリオ/バレエの情景や、“お稽古名曲”の範疇とは異なるもののウィニアフスキー/ヴァイオリン協奏曲 第2番などは必ず学習している筈ですが、さらに和食ならではの[さ][し][す][せ][そ]を学ぶかの如くに、ヴァイオリンならではのフレーズの弾き方や表現を習得するための課題曲として学ぶのがヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番です。
ただし
このヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番では、フィンガードオクターブや10度どころではなく、さらに左指の拡張が必要となる12度まで出て来ます。そうしたことから私は、例えば時速100km以上では走行できない車で時速100kmで走るのではなく、時速100km以上の速度でも走れる車で時速100kmで走行したほうが走る際に余裕が生まれるのと同じで、1・2・3・4の通常の間隔でしか配列できない指で1・2・3・4の運指を行うのではなく、フィンガードオクターブも取れるような広い間隔でも配列できる指で1・2・3・4の運指をしたほうが演奏する際に余裕が生まれるどころではなく、12度すらさえも容易に押さえられるように左指の[拡張]を鍛えるために14度の練習も必要…と思っていた時期もありました。
ところが
ヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番で登場する12度の音程は、重音として長く音を伸ばすのではなく、一瞬で音が取れれば何とかなる急速な跳躍的音形でしかないこともさることながら、私自身も日々行うとともに私の生徒さん方にも課している最大12度まで左指を広げる指の[拡張]の基礎練習を続けていると、14度にも及ぶ跳躍さえも押さえられるようになります。その結果、小学生のように手の小さな女性でさえもヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番で登場する12度の音程に留まらず、これも以前の記事で書いたように例えば10度の重音が登場する楽曲は極めて限られるものの、それ以外の通常の楽曲におけるポジション移動を伴うメロディーなどにおいて、次に指板上に配列されるべき指の位置に指を予め広げて置いておいたり近づけておくことが容易になり、メロディーラインが左手の運指の物理的な都合で歪になってしまうことを防いだりできて、あらゆる楽曲で安定した左指の運指が行えるようになれることから、つくづく基礎練習の大切さを痛感させられています。
と同時に
私のサイトのなかのページでは
パガニーニ
↓
エルンスト → ヨアヒム → アウアー
ウィニアフスキー
↓
↓
セヴィシック
ギンゴールド という系譜しか掲げませんでしたが
既述のバレエの情景の作曲者であるベリオにも学んだヴュータンが、晩年に脳卒中による右半身付随により指導ができなくなりウィニアフスキーに後を託した生徒のなかのひとりがイザイなのです。そうしたことから、ヴュータンの作品には上掲のようなヴァイオリンの系譜を受け継ぐフレーズが多数用いられていることに気づかされるとともに、それこそが、和食を学ぶ料理の初心者が和食ならではの[さ][し][す][せ][そ]を教えられるかの如くに、この楽曲がヴァイオリンの学習者において必修の作品とされている最大の理由だと思います。
そうしたなか
既述のようにヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番がヴァイオリンの学習者においては必修の課題曲であることを当然熟知していたガラミアンによる校訂譜を用いて
VIEUXTEMPS CONCERTO No.5
INTERNATIONAL MUSIC COMPANY No.2699
既述のようなヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番で頻出する跳躍的な音形などから、ややもすれば“サーカス”のような演奏になってしまいがちなところを、やはり徹底した基礎練習の成果としての安定的な運指により上品な“手品”のような演奏に仕上げているのが、前の記事でも取り上げたCDです。
ミンツ(ヴァイオリン)
メータ指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
そうした安定した演奏によって、既述のようなヴュータンの作品にみられるヴァイオリンの系譜を受け継ぐフレーズの数々が明瞭に聴かれるこの精密な演奏が、実はスタジオ収録ではなくライブ録音であることには、ただただ驚かされるばかりです。
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