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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
以前の記事で書いたように
かつて師事していた平野先生は「基礎はスミさん、演奏はスミくん」と仰ったのは
平野先生よりも年上だったのがスミさんで
平野先生よりも年下だったのがスミくんだったから…では分らないと思いますので
正確に書くと
平野先生よりも年上だったのが、かの歴史的名教師の鷲見三郎先生で
平野先生よりも年下だったのが、同じ歴史的名教師の鷲見四郎先生だったからです。
そして
これも以前の記事で書いたように
かのレオポルト・アウアーの高弟のニコライ・シフェルブラット先生が
四郎先生を指導しているのを見て、その指導方法を学ばれたのが三郎先生でしたが
だからといって「三郎先生は、シフェルブラット先生が四郎先生を教えるのを
レッスンについて来た母親がいろんなことを憶えて「ご本人は弾けないのに、
近所の子を集めてヴァイオリンを教えたりする人も出て来たりする(笑)」
と書かれていますが、これは聞き齧りの最たる例だと言えます。
三郎先生が笑われた上記の例は「ご本人は弾けない」場合の話ですが
ヴァイオリンはその難しさもあってか、多少弾けるだけで一般の方は驚いてしまい
ヴァイオリンの専門家からすれば「?」と思う点だらけであったとしても
素人というのは、その物事の素人が玄人っぽく語ると感心してしまうことから
リスナーに毛が生えただけの素人がスピリチュアルに語れば語るほど
リスナーの段階でしかないヴァイオリンの初心者はその話に感心している例もあり
そのようにリスナーに毛が生えただけの者がヴァイオリンを教えるのも
聞き齧りだと言えます。
では
聞き齧りの何が問題なのかといえば、そうした聞き齧りで教えているような者は
それっぽく(笑)語り、それらしく教えるだけですが
それっぽく(笑)語り、それらしく教えるだけでも何かしら変化することから
初心者ほど、そうした、それっぽく(笑)語られた表面的な変化=向上であると
錯覚したり誤解してしまう点が問題となるのです。
さらには
聞き齧り…というと、何か物事を部分的に取り込んでいるように思われがちですが
聞き齧りをする者は、その物事の本質を充分には理解せずに表面的に踏襲するので
ネットで掻き集めた情報を、それが伝統でそのまま行うべきだと語ったり(笑)
エチュードも番号順に何巡も反復させ、それを愚直などと話を掏り替えるのです。
その結果
そうしたそれっぽく(笑)語り、それらしく教える聞き齧りに釣られてしまうと
せっかく好きで習い始めて真剣に学び奏でたい…と思っていたヴァイオリンで
リアリティとして本来のヴァイオリンの奏法や音程の取り方を習えている人と違い
イメージとしてそれっぽく(笑)語られ、それらしく奏でるだけになってしまい
ということで
素人がそれっぽく(笑)教えているだけだ…ということが初心者にも判り
情報をそれっぽく(笑)掻き集めてるだけ…ということが誰にも解る判断材料として
ヴァイオリンの調弦というヴァイオリンを弾く誰もが必ず行うことにおいて
2つの開放弦を完全5度に調弦して同時に弾いて
下の弦の1オクターブ下の音が鳴っていれば
2つの開放弦が正確に完全5度で調弦できていることになる…と前の記事で書いた
その1オクターブ下で鳴っている音が[差音]で
[差音]という現象についてはネット上にも情報があるので、そうではなく
もっとも
上掲の譜例で黒く点滅する音が[差音]で、この[差音]についても
以前の記事で書いた半音には半音と半音があることを教えてくれるかどうかと同じで
自分の習っている先生はキチンとレッスンしているから、そんなことは教えている!
自分の習っている先生はT朋或いはG大卒の先生だから、そんなことは習っている!
自分の習っている先生は海外の○○音大に留学したから、そんなことは分っている!
自分の習っている先生は有名オーケストラの団員だから、そんなことは知っている!
と言われてしまうかもしれませんし
けれども一方で
調弦する際の[差音]の現象ではなく、聞き取る方法や手順を訊いてみることで
自分の先生はキチンと教えていると思ったら、実は弾きまくらせているだけだった
自分の先生はT朋或いはG大卒の先生なのに、実は弾きまくっていただけだった
自分の先生は海外の〇〇音大に留学したのに、実は弾きまくっていただけだった
自分の先生は有名オーケストラの団員なのに、実は弾きまくっていただけだった
という現実を知ることになるかもしれません。
さらには
ヴァイオリンの開放弦を完全5度で調弦する際の既掲のような原理など知らず習わず
それっぽく(笑)2弦を重音で弾いてみて、それらしく響けばOK!という為体の
ヴァイオリンごっこに興じているだけの人がウジャうじゃ居るので
「[差音]は一応知っているけれども、ヴァイオリンの奏法でそんなに重要か?」
とまでは言わないとしても
ということで
ヴァイオリンのレッスンの際に私は[差音]を聞き取れるようにする指導をしていて
AはApplicable 発生する[差音]が開放弦の音に該当する
NはNot applicable 発生する[差音]が開放弦の音に該当しない
という意味で
【A1】
【A2】
【N1】
【N2】
と分類し
【A1】
【A2】
【N1】
【N2】
という分類は、私が仮に行ったものでしかありませんが
以前の記事で取り上げた
かの有名なモーツァルトの父親でヴァイオリン教師であった
レオポルト・モーツァルトが著し、今年の5月に新訳が発売され入手し易くなった
その分類を例示してみたいと思います。
先ず
【A1】は、例えばこうした和音で
[差音]として発生することになる響きが開放弦の音程と同一でありながら
[差音]を発生させている2音の音程は、開放弦の音程と異なることから
重音の2音のいずれかを弾いた時点で既に開放弦が多少共鳴してはいるものの
そのため
重音の2音の音程が正しい場合と、正しくない場合での響きの有無が明確に生じ
重音の2音の音程が正しい場合は、開放弦の共鳴によって[差音]が確認できるので
[差音]の発生が明確に判別できるケースとなります。
次に
【A2】は、例えばこうした和音で
[差音]として発生することになる響きが、共鳴している開放弦の音程と同一なため
重音の2音を正しい音程で弾けた場合に、開放弦の響きが更に加わることで
[差音]の発生が確認できるケースです。
(既出の以前の記事で書いたように
カイザー 20番 冒頭の和音が、このケースに該当します)
そのため
重音の2音の音程が正しい場合と、正しくない場合の開放弦の共鳴が明確に異なり
重音の2音の音程が正しい場合は、開放弦の共鳴の増大で[差音]が確認できるので
[差音]の発生が容易に判別できるケースとなります。
次に
【N1】は、例えばこうした和音で
そのため
重音の2音の音程が正しい場合と、正しくない場合でオクターブの響きが変化し
重音の2音の音程が正しい場合は、オクターブの響きの増大で[差音]がわかるので
[差音]の発生が比較的判別し易いケースとなります。
そのため
重音の2音の音程が正しい場合と、正しくない場合の響きが[差音]の影響で変化し
重音の2音の音程が正しい場合の、第3の響きの存在に耳を傾けることで
[差音]の発生が直接判別できるケースとなります。
既掲のような分類に基づき
【A1】…[差音]の発生の有無が、開放弦の共鳴の有無で確認できる
【A2】…[差音]の発生の有無が、開放弦の共鳴の増大で確認できる
【N1】…[差音]の発生の有無が、オクターブの響きの増大で確認できる
【N2】…[差音]の発生の有無を、第3の響き=[差音]それ自体で確認する
というように
最初は[差音]が聞き取れなくても[差音]の存在が確認できるケースから始めて
次第に[差音]を確認する難易度を徐々に上げていくなかで[差音]の響きに慣れ
最後に[差音]の存在それ自体を直接聞き取れるように段階を踏んで取り組むことで
[差音]が聞き取れない生徒さんも次第に[差音]が聞き取れるようになるとともに
既出の『ヴァイオリン奏法』のなかでモーツァルトも重音の音程は[差音]によって
「音を正確に正しく演奏できているのかを、自分で検証できる」と書いていますが
[差音]はヴァイオリンの重音だけでなく調弦の際でさえも必要なことなので
いいえ、そんな心配も無用なのです。
何故なら
既掲とは異なる[加音]もまたヴァイオリンの調弦の時でさえも生じていますが
既掲はあくまで[差音]を聞き取るように指導する際の私の手順を書いただけなので
[加音]については知ったかろうにも、知ったかれないのです。
[差音]に対して[加音]は聞き取り難い…という情報がネット上に溢れていますが
ヴァイオリンの調弦の際に生じる[差音]は開放弦と同音やオクターブなことが多く
ヴァイオリンの調弦の際に生じる[加音]は開放弦とオクターブの関係にないので
[加音]は開放弦の響きに埋没しないため、小さな音でも目立って却って認識し易い
と書いてはみたものの
そもそもこのブログはブログの目次のページにも記したように
レッスンを申し込まれる判断材料として
レッスン方針・レッスン形態のページなどとも併せてご覧いただくために
書いているものですが、それすらさえ通じることなく
このブログを眺めて悦に入るだけ…という方も居るようなので(笑)
[差音]だけでなく[加音]というのもあるらしい…で終わってしまうのかも
しれません。
残念です。
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