ヴァイオリンの重音の音程の取り方 ~その1~

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ピラストロ オリーブ PIRASTRO Oliv ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

リトマス試験紙

 と言えば溶液が酸性かアルカリ性かが判別できる試験紙ですが

ピラストロ オリーブ PIRASTRO Oliv ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 ヴァイオリンの分野でも、そうした化学実験における

 リトマス試験紙のように何れかが判断できるだけではなく

 リトマス試験紙とは違い二種類の内容が判別できる代物が

 存在するのをご存じでしょうか?

それは

ピラストロ オリーブ PIRASTRO Oliv ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 そうです、有名なPIRASTRO社のOliv弦です。

では

 ヴァイオリンの分野では、オリーブ弦で何が判断できるのか?

 ヴァイオリンの分野では、オリープ弦で何の違いがわかるのか?といえば

 ひとつには、その先生がそれっぽい(笑)だけか、まさしく優れた先生か

 ひとつには、その楽器それっぽい(笑)だけか、まさしく優れた楽器

 ということが判別できてしまえるのです。

 

ということ

先ず

 Oliv弦の何によって先生の力量が判断できてしまえるのかといえば

 それは[ゲージ](弦の直径、太さ)です。

ピラストロ社の

 Oliv弦とEudoxa弦で

 袋入りで販売されている弦では袋に

 ストレートで売られている弦ではタグに

 例えば14 ですとか

 例えば13 1/2 ですとか

 例えば15 3/4 というように整数と分数が表記されていて

ピラストロ オリーブ ゲージ PIRASTRO Oliv gauge ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン
ピラストロ オリーブ ゲージ PIRASTRO Oliv gauge ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

PIRASTRO(ピラストロ)社Oliv(オリーブ)弦 製品一覧

http://www.pirastro.com/public_pirastro/pages/en/Oliv-00004/

ピラストロ オリーブ ゲージ PIRASTRO Oliv gauge ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

PIRASTRO(ピラストロ)社Oliv(オリーブ)弦 製品一覧

(Rigid(リジット)硬巻き)

http://www.pirastro.com/public_pirastro/pages/en/Oliv-Stiff/

 例えば14というのは弦の直径が14  ÷20=0.7mm

 例えば13 1/2は弦の直径が13.5÷20=0.675mmであることを意味

 これをピラストロマスといいます

そして

 例えばE線として有名なGoldbrokat弦でも

 0.26や0.27というように[ゲージ]がパッケージに明記され

 0.26と0.27では響きも異なり、張力の違いにより弾き心地も異なるように

 ピラストロのオリーブ弦でもオイドクサ弦でも[ゲージ]が明記され

 13 1/2 と 14 では響きも異なり、張力の違いで弾き心地も異なります。

(ちなみに

 PIRASTRO社の例えば13 1/2は13.5÷20=0.675mmですが

 Goldbrokat弦での0.26の表示ではそのまま0.26mmが弦の直径となります)

ですから

 もしも先生が生徒にOliv弦を勧めた場合

 例えば

 「あなたの楽器はA線がやや強い音なので

  A線を14 ではなく 13 3/4 に替えてみましょう」ですとか

 例えば

 「あなたの楽器は低音がやや弱いから

  G線は15 3/4 ではなく 16 を張ってみましょう」ですとか

 例えば

 「A線との響きのバランスを考えて

  D線はアルミ巻ではなくシルバー巻の14 1/4にしましょう」ですとか

 例えば

 「あなたの楽器は低音がよく響かないから、G線をリジットにするよりも

  A線を13 1/2 ではなく 13 1/4 に替えることで低音が響く」

  などと助言するのが優れた先生なのです。

それに対して

 単にOliv弦を張れだの、張った…というのは、それっぽい(笑)だけの先生ですし

 取り敢えずmediumゲージで、そのままというのも、それらしいだけの先生で

 そのように[ゲージ]による弾き心地や響きの違いを気にもしないのは

 プレーヤーでなくリスナーに毛が生えただけの素人でしかなく

 ヴァイオリンの楽器についても奏法上の観点ではなく楽器マニアの薀蓄で論じるだけ

 という場合が殆どで、そうした先生に楽器の評価をされても当てにならないのです。

ちなみに

 私が師事した先生方はOliv弦の使用に際しては

 [ゲージ]と楽器響きの関係を判断ならびに指導していただけただけではなく

 [ゲージ]は弦の全長で保証されるものではないので

 弓で実際に弾く場所付近での太さをマイクロノギスで計測するように仰るだけでなく

 [ゲージ]の表記が無いOliv弦以外のナイロンや新素材の弦でも弦の直径を考慮して

 弦を選定するように注意を受け続けたお蔭で

 [ゲージ]と楽器響きについて的確な判断ができるようになれました。

 

そして

次に

 Oliv弦の何によって楽器の性能が判断できてしまえるのかといえば

 それは[差音]です。

ということ

 [差音]についてネットで検索してみると

 「周波数の異なる2つの音を同時に鳴らした時に聞こえる

  2つの音の周波数の差に等しい周波数の音」ですとか

 「ゲオルグ・アンドレアス・ゾルゲや

  ジュゼッペ・タルティーニらによって、原理が発見された」と書かれていて

 タルティーニといえば『悪魔のトリル』というヴァイオリンがある

 というだけで、何のことか具体的にはわからない方も居るかもしれません。

そこで

 ヴァイオリンでも演奏可能な音域としてはやや高音域になってしまうものの

 聴取される[差音]もヴァイオリン演奏可能な音域で

 どなたにも聴取し易い音での実例を挙げてみます。

まず

差音 ソ Difference tone ToneG ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 

 

 

の音は

を押すと10秒間音が鳴ります)


差音 ミ Difference tone ToneE

 

 

 

の音は

を押すと10秒間音が鳴ります)


 となりますが

差音 ソ ミ Difference tone ToneG E ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 

 

 

として両方同時に鳴らすと

差音 ソ ミ ド Difference tone ToneG E C ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 

 

 

というように聞こえて

押すと10秒間音が鳴ります)


 この場合

差音 ド Difference tone ToneC ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

 

 

 

の音は

 鳴らしていないにもかかわらず聞こえる音で

 こうした音のことを[差音]といいます

けれども

 既掲の音はいずれも正弦波…というと専門的になるので簡単に書くと

 既掲の音はいずれも単純な電子音で、そのような音同士であれば

 差音がよく聞こえますが

 ヴァイオリンの音は単純な電子音とは異なり、余韻や倍音がいろいろと含まれるので

 差音も一応聞こえるには聞こえる…ということになるのです。

そして

 オリーブ弦は同じピラストロ社のオイドクサ弦よりも張りが強く

 余韻や倍音が豊富な楽器にオリーブ弦を張ると、余韻や倍音が更に増し

 差音は余韻や倍音に埋もれてしまうことから、その楽器にOliv弦を張った場合に

 差音も一応聞こえるが、やや聞き取り難くなった…というのが優れた楽器です。

それに対して

 オリーブ弦は同じピラストロ社のオイドクサ弦よりも張りが強く

 余韻や倍音が貧弱な楽器にオリーブ弦を張ると、余韻や倍音が更に減り

 差音が電子音の場合と同様に目立つことから、その楽器にOliv弦を張った場合に

 差音もよく聞こえるようになった…などというのは、それっぽい(笑)だけの楽器

 調整で音が変わる楽器も、やはり余韻や倍音の少ないそれっぽい(笑)場合が殆どで

 そうした余韻や倍音の少なさから単に大音量で鳴るだけの楽器も少なくありません。

ですから

 Oliv弦を張って差音もよく聞こえるような楽器で悦に入っているのも

 プレーヤーでなくリスナーに毛が生えただけの素人でしかなく

 ヴァイオリンの響きを演奏者の観点で聴取できていないだけではなく

 ヴァイオリンの音程を響きで取る方法を知らないが故にチューナーを使い使わせ

 という場合が殆どで、そうした先生に音程の指導を受けても上達しないのです。

 

ということ

 オリーブ弦を張る際に

 [ゲージ]についても判断し指導してくれる先生は、まさしく優れた先生ですが

 [ゲージ]など気にせずに張らせるだけの先生は、それっぽい(笑)だけの先生

 ということが判別できてしまえることに加えて

 オリーブ弦を張ったこと

 [差音]が聞き取り難くなるような楽器は、まさしく優れた楽器ですが

 [差音]がよく聞こえるようになる楽器は、それっぽい(笑)だけの楽器

 ということも判別できてしまえるという点で

 PIRASTRO社のOliv弦は二種類の内容が判別できてしまえる

 ヴァイオリンの分野のリトマス試験紙だといえます。

ピラストロ オリーブ PIRASTRO Oliv ヴァイオリン教室 バイオリン レッスン

そして

 ヴァイオリンの重音音程の取り方について論じられる際に

 既述の[差音]についても取り上げられることがありますが

 それについては次の記事に書きます。

よろしければ、こちらもご覧ください。


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