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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
数年前
打ち合わせをしていた場所の偶々つけられていたTVで
ロシア人シェフが作った[すき焼き]というのが放送されていましたが
牛肉や長ネギや豆腐などを
軽く焼いた後に酒と醤油と味醂で味付けした割り下で煮つけていた…とだけ書くと
関東と関西の違いなどを除けば日本の[すき焼き]と大差ないように思えます。
驚くべきことにこのロシア人のシェフは、既述のようにして仕上がったりものを
牛肉や長ネギや豆腐など食材別にまとめて
大きな皿の上に一斉に並べて供していた光景には
スタジオの日本人の観客から「えぇぇ~?!」と驚きの声が上がっていましたが
ロシア人のシェフに日本人の取材クルーが日本の[すき焼き]の動画を見せると
このシェフは
「鍋で出すか、皿で出すかの違いだけだろう」と何も気にしていませんでしたし
もしかすると、鍋で出すよりも効率的で食べやすいと思っていたのかもしれません。
それは
私のサイトのプロフィールでも書いたように
天才ヴァイオリニストにして純正律の重要性を訴えられた玉木宏樹氏が
最晩年に作成された教本の構成と解説を玉木氏からの依頼により行った際の
玉木氏の事務所での打ち合わせで
玉木「岩本さんよぉ~、調弦のところは、どう書く?」と訊かれたので
岩本「まあ、音叉を使って…、
そんなのは少数派で例外だろう(笑)」
岩本「いえいえ、意外と大勢居ると思いますよ」
玉木「そうかぁ~?(笑)」
岩本「それじゃあ、弦楽器専門店ではなくて、総合楽器店で私が時々行く
山野楽器の銀座本店の弦楽器売り場に電話をして訊いてみましょう」
ということになりました。
玉木氏の事務所に居合わせたスタッフも含めて全員の方々が耳が良いこともあり
スピーカーフォンに切り替えずに通話の先方の声まで聞き取れるので電話でそのまま
岩本「ヴァイオリンの調弦というのは、音叉の他には今時は何でするものですか?」
と尋ねると
その打ち合わせは晩秋の頃であったにもかかわらず
店員「今年に入って当店で音叉を買われたのは岩本様だけです」
店員「偶に調子笛をお求めになるお客様もいらっしゃいますが
事務所じゅうの人達がまさに「えぇぇ~?!」と驚きの声を上げ
玉木「そうかぁ~、今時はチューナーなのかぁ~」と驚きのあまり天を仰ぎ
事務所の椅子がひっくり返らんばかりに仰け反りながら掌で額を打っていました。
と書くと
「ヴァイオリンの調弦でチューナーを使うのは当たり前」どころではなく
「ヴァイオリンの調弦を音叉なんかでするの?」という声も聞こえて来そうですが
一方で
「ヴァイオリンの調弦をチューナーなんかでするわけがない」どころでなく
「ヴァイオリンの調弦に音叉も要らないだろう」という声も聞こえて来そうですが
そのように
チューナーなんか当たり前…というのはまさに既述のロシア人シェフの[すき焼き]で
チューナーなんか使わない…というのはまさに日本人が日頃見聞きする[すき焼き]と
同じようなものです。
既に焼いて煮込んだ食材を食材別に大皿に盛って一斉に供する[すき焼き]は
日本人にとっては有り得ない異常事態なのに、ロシア人のシェフは
何とも思わなかったのと同じで
専門家にとっては有り得ない異常事態なのに、アマチュアの人達は
何とも思わないのです。
(事実
私の周囲のヴァイオリニストやヴァイオリンの先生方で
チューナーを持っている人は皆無ですし
ネズミの鳴き声を“チュ~チュ~”と表現することから「チューナー?ネズミ捕り?」
と訊いた人まで居ます(笑))
そしてさらには
私のサイトや、このブログでも何回も書いているように
せっかく文明の利器が有るのだから…と電卓を使って答えを確認したところで結果の確認に過ぎず、計算のやり方は学べない…というよりも、計算のやり方を学び鍛える際に電卓を使うことは無意味で余計なことでしかないのと同じで、せっかく文明の利器が有るのだから…とチューナーを使って音程を確認したところで結果の確認に過ぎず、音程の取り方は学べない…というよりも、音程の取り方を学び鍛える際にチューナーを使うことは無意味で余計なことでしかないにもかかわらず
ヴァイオリンの調弦のみならず、あろうことがヴァイオリンの音階練習の際にまで
チューナーを使う人達が居るのには驚かされます。
止まっている時計も日に2度正しい時間を示す(笑)というのと同じで
チューナーを使っているかどうかが
その練習法は遊びなのか真剣なのかの判断材料になり
その指導者は素人なのか玄人なのかの判断材料にもなります。
趣味でテキトーに擦って楽しめればいい…という人はチューナー三昧で構わないものの
チューナーを使うようなレッスンは決して受けてはいけない…どころではなく
チューナーを持っている指導者には近づいてはならない…とまで書いては
書きすぎでしょうが
自分の習っている先生に「チューナーってお持ちですか?」と訊いてみることで
自分の受けているレッスンが実はどうなのかを判断することができると思います。
つまり
『チューナー 実は画期的な装置!?』で書いたようにヴァイオリンにおいては
初心者~上級者までの老若男女いずれの学習者にあっても
チューナーを使っている=“それっぽい”だけで本当ではないバイオリンのレッスン
チューナーなど必要ない=“そのもの”としての本当の本来のバイオリンのレッスン
であることを十二分に承知しておかなければなりません。
その際
冒頭の[すき焼き]を食材別に皿に一斉に盛る異常事態を意に介さないシェフ同様
ヴァイオリンの音程をチューナーで取るという異常事態を意に介さないどころか
あろうことかなかにはチューナーの利用が有効だとまで語る人も居たりしますが
素人というのは、その物事の素人の話にこそ共感してしまい
素人というのは、その物事の素人が玄人っぽく語ると感心してしまい
寧ろその物事における玄人の話には違和感を覚えがち…ということにも留意して
その発言や様々な意見を捉えなければならないと思います。
ということで
ヴァイオリンで調弦は勿論、音階練習でもチューナーもピアノも一切使わないことは
ヴァイオリンを真剣に教え学んでいる環境では改めて書くまでもない程の常識ですが
一方で
ヴァイオリンを真剣に教え学んでいる場合には必ず学習する音階練習の教本の
『CARL FLESCH SCALE SYSTEM』(カール・フレッシュ/スケールシステム)
において
カール・フレッシュ
スケール・システム
CARL FLESCH SCALE SYSTEM
それは
『CARL FLESCH SCALE SYSTEM』は音階練習の教本だ…ということです。と書くと
「スケールシステムが音階練習の教本ということは皆知っている」
と言われてしまうでしょうし
「音階練習の教本というのは、音階を練習する教本」と書いてもなお
当たり前のことでしょうが
「日本語の用例集というのは、日本語を正しく綴る練習をするための教本」であり
「日本語の用例集を使うなら、日本語の文字の読み書きができていないと使えない」
のと同じで
「音階練習の教本というのは、音程を正しく奏でるための練習をする教本」であり
「音階練習の教本を使うなら、音程の取り方がわかっていないと使えない」ことに
なります。
既述のようにチューナーを使ったところで結果の確認であって音程の取り方は学べず
先ず日本語の文字の読み書きを学んでから日本語の用例集を使うように
サイモン・フィッシャー
スケールズ
Scales by Simon Fischer
(上掲の譜例の画像はHow to tune each note of the scaleの一部です)
というところまでは
当たり前のことでしかないのですが
ヴァイオリンを真剣に学びたいと思ってレッスンを受けているにもかかわらず
ヴァイオリンを正しく教えてもらえていないことに気づいていない人達も居るので
念のため書かせていただきました。
そして以下は
ヴァイオリンを正しく教え学ぶことができている人達に向けてのことなのですが
『CARL FLESCH SCALE SYSTEM』(カール・フレッシュ/スケールシステム)
において
この記事の題名にもした
その後sul Aで単音で弾き
その後sul Aで単音で再び弾く
すると
sul Aでの音階をsul D の開放弦との重音で響きが調和するように弾いた場合と
sul Aでの音階を単音で弾いた場合では音程が異なるものもあれば同じものも有り
sul Aでの音階をsul E の開放弦との重音で響きが調和するように弾いた場合と
音階練習で音程を正しく取るための練習として「更なる音程の追求」となりますが
チューナー…などと言っている人達には、何のことかわからないことでしょうし(笑)
音程が固定されてしまっているピアノでヴァイオリンの音程を取らせている人達も
やはり何のことかわからないに違いありません。
【注意】
(CARL FLESCH SCALE SYSTEM)』にも書いたように
上記の開放弦との重音で音程を取る練習方法は、この記事のタイトル通り
「更なる音程の追求」であり、単音での基礎となる音程が取れない人が行うと
「奇妙な音程」になり、正確な音程を取れるようにする練習法とはなり得ません。
例えば6度といった
最初から重音の音階の練習では、どうしたらよいのか?
ということになると思いますが
それについては『ヴァイオリンの重音の音程の取り方 ~その2~』でも触れた
ヴァイオリンの重音の音程の取り方とともに、レッスンの際にお伝えしています。
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