カイザーは初心者が学習するエチュードとしてよく用いられますが
かの帝王カラヤンも頭の上がらなかった名指揮者であるジョージ・セルが
クリーヴランド管弦楽団の常任指揮者となり猛練習を行い
「現代オーケストラ芸術の奇跡」とまで言われる
究極のアンサンブルを実現させるべく
コンサートマスターへの就任を要請されたのがヨゼフ・ギンゴールドであることから
ギンゴールドの校訂によるインターナショナル版を用いてレッスンをしています。
そのため
ギンゴールドの校訂譜において何故そのような運指・運弓となっているのか
という点に十分に留意しながらレッスンすることで
上記のような歴史的な偉業の一端でもあるより精緻で表情豊かな
ただし
カイザーは初心者が学習するエチュードとしてよく用いられるものの
後々学ぶクロイツェル教本などをも凌ぐ非常に演奏が至難な課題も含まれるため
単純に全曲を通して弾かせてしまうことは却って基礎的な演奏技術の習得を阻害し
全体を何巡も繰り返し弾かせたりすると初心者の演奏技術の荒廃を招きます。
カイザーを学習する際には学習者の状況に応じた課題を限定的に選択するとともに
日本では殆ど用いられていないもののヴァイオリンの演奏技術の系譜上においては
カイザー以上に基礎技術の習得に有益な教本からより多くの課題を選んでいます。
専門家を目指す方だけではなく、趣味で習う方にも
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。